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Channel: スポーツナビ+ タグ:かわいい悪魔
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かわいい悪魔の連覇は日本バレー界の危機??~V・プレミアリーグ女子ファイナル~【08/09プレミアリーグ選評・77】

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【TV観戦】(解説・杉山明美)V・プレミアリーグ女子・ファイナル~東京体育館東レ3-0久光製薬(25-13 25-18 25-15)【東レ】芝田 宮田 張越紅木村 西脇  中道  L=濱口IN大山加奈、大山未希、高田、佐藤【久光製薬】ローガン  橋本   山本 平井  狩野舞子 兵動  L=佐野IN先野(←平井)大村、石井、座安史上初の女子における、「連覇」となった東レアローズ。ベティや荒木、冨田、向井が抜けて大幅に戦力が変わった中での「別チーム」での連覇には感心する。だがしかし、東レの優勝は果たして全日本としては、日本バレー界としてはどうなのか・・・そういう観点で観たとき、この優勝の意味はまるっきり違うものへとなるだろう。【1S】狩野舞子を猛プッシュする実況&解説。立ち上がり、「タクト!タクト!もう1本!!」がしょっちゅう聞こえる東京体育館内。芝田のライト攻撃が冴えわたり、7-2まで突っ走る。耐えかねて、真鍋監督はタイムアウト。その後の1TTO以降やや久光が巻き返すも、すぐさま東レが突き放して再び12-6で久光のタイムアウト。それ以降も、ブロックにサーブに東レが舞い、あっさりとセットを奪った。【2S】1-1から張越紅がローガンにサーブを集中砲火。TOとTTOをはさんで10-1と大量リードの東レ。10-1で2TTOを迎える真鍋監督、げっそりだ。狩野舞子が決めてようやく2点目。足が動きだして久光5連続ポイント、10-6で東レの1TO。ラリー中にフロントライン当たりの相当低い位置から中道が超タテBのトスを西脇にあげ、西脇も何とか打って決定というスーパープレー。身内にドSなトスだなぁ・・・って思うくらいの凄いトスを上げた中道。あれは、ファンタジスタ。中盤、いささか中だるみした感もある東レだが、一定以上崩れることなく、序盤のリードにも守られて逃げ切った。【3S】張越紅のブロックでスタート。張越紅のダイレクトアタックなどで3-0とリード、久光1TO。5-0となって、平井に代えて先野IN。狩野舞子のアタックアウトで6-0、久光2TO。これだけ乱れているんだから、早い段階でのピンチレシーバー座安の投入など、考えられると思うのだが、このあたりの真鍋監督の采配が全日本に向けて不安。久光の攻撃がノータッチでコートに落ちることが少ないのは、ブロックとレシーブの関係がしっかりと東レが行われているからだろう。じゃんじゃか東レがいいプレーを連発し、最後は狩野舞子を芝田がシャットアウトして優勝決定。【トータル】実は、現状ならばトヨタ車体とかの方がよっぽど組みにくかっただろう東レ。あのチームは、決勝などの舞台なら必ずや乗るでしょうからねぇ。それはさておき、やはり東レの根幹にあるのは若さ。乗れば勢いはバーっと燃え上がり、コートの中を包み込む。今シーズンは、いい意味でそれが出来ていたと思うし、若さゆえの怖さであるダメになったら天国から一気に地獄みたいなところが見られなかったのは、木村、濱口、中道、西脇あたりが締めていたからだと思う。そして、芝田がまとめる。若いんだけど、「経験」などに基づく落ち着きがあったように感じた。結局のところ、今日の試合も崩れてもおかしくないような展開があったのだが崩れなかった東レは、いいチームだと言えるだろう。久光は、この後も指摘するのだがどうして選手交代をしなかったのか、という疑問を抱かずにはいられない。また、ローガンを迎えて非常にいいチームではあるのだが、選手を確定できないでシーズンの最後を迎えたことが、今日の結果につながったのだと思う。~雑感~☆ 狩野舞子にトスが集まるのだが、狩野舞子は他の選手が機能すれば素晴らしく活躍するのだげれども、こういうビハインド展開になると引っ張っていくだけの力がないのが難点。リーダーシップとかそういうのじゃなくて、いい意味で“単体”としての力がもう少し欲しいなぁと思うところなのだ。だから、私は強く全日本に押さないのだ。☆ ローガンが決まらないのはある意味必然かもしれない。世界の大砲とか言われなくもないが、実際ローガンは大砲ではない。つなぎのテクニシャンタイプなのだ。ただ、多く得点を奪う能力もある。技巧派得点王なのだが、今の久光では役職・役割が多すぎるし、負担が重すぎる。ローガンを活かすなら、OPに小山を入れて攻撃力を増してローガンに守備に重きを置いてもらうべきだろう。ローガンの攻撃力を取るならば、狩野舞子のところに石井とか狩野美雪を起用したい。 結局今の久光陣容は、どっちつかずなのではないかなぁと思う。それを証拠に、フルセットながらも勝ち続けていたころの久光は、狩野舞子の怪我のためにOPに小山を起用していた。☆ 今日、久光セッターの橋本の調子は悪かったと思う。トスが硬いように見えた。ここで、なぜ三上を起用して見ようと思わなかったのか、真鍋監督の采配に疑問符がつく。一時的でも橋本に冷却期間を与えるだけでも、随分と違ってくることもあるはずだと言うことは、セッター出身の真鍋監督ならばわかっているはずだ。しかーし、うがった見方をしてみよう。全日本で同じような苦境にあうはずだと言うことまでをも真鍋次期全日本女子監督が見越して、愛弟子である橋本に大舞台で苦行をさせたのではないかという推測も出来る。つまり、その場合は久光製薬監督ではなく次期全日本女子監督としての采配をしたと言うことになる。☆ さて、東レのこの優勝がどうして日本バレーの危機なのか。まずは、こちらの記事をお読みいただきたい。今シーズン、V・プレミアリーグ女子のキルブロックは総じていいとは言えなかった。特に、サイドアタッカーのブロック(ブロックの軸)が良くないのがポイント。サイドブロッカーがきっちりと基準になるようなジャンプをしてセンターがそれにくっつく・・・全日本では北京の直前にややそういう面が改善された傾向が見られたが、どうも今回の09年版全日本ではそのあたりに再び苦労しそうな雰囲気を、この東レの優勝で感じた。東レの攻撃パターンは複雑ではない。基本的にレフトがとっても多い。張越紅と木村が得点の大半を占めると言うのが通例だ。だったらそこを抑えれば勝てるのでは?と思った方、まぁそうでしょうね。事実、ブロッカーがほかのチームに比べればしっかりしている方のJTには東レは唯一勝ち越せていない。東レのレフト攻撃の柱は平行の他に、やや中へ切り込んでくるものがある。張越紅も高さばかり注目されるが、リーグ後半は跳躍力が落ちていた。が、中へ切り込んで動くと言うことでそういう面を補っていたのだ。ちょっと動いただけであれだけ決める張越紅がすごいのか、それとも日本のブロッカーがしっかりしていないのか・・・どちらも当てはまって言えることだろうと思う。ただ、中へ切り込んだり外へ出したりとそういうさじ加減をした中道のトス回しは頭脳的だ。比較して栗原恵(パイオニア)。全日本の時に、「(中に)動いて打った方がいい」と言うようなことを私は何度も書いてきた。何で、張越紅がこれだけ決めたのかと言うことを踏まえて、よく考えて見てもらいたい。☆ 東レのよかった所は、濱口を中心としたディグだっただろう。カウントアタックを多く取って、連続ポイントが多々出たと言うことは、背景にはディグのよさがあるだろう。ブロックもワンタッチを奪うと言うことでは、それなりに出来ていたのではないかと思う。また、2段トスをあげる体制もほかのチームに比べれば出来ていたのではないだろうか。そのあたり、「木村(と荒木)の北京後の反省」にあった、『外国のチームは2段トスの精度がいい』というところに起因しているのかもしれない。V・プレミアリーグ女子3位決定戦NEC3-2デンソー(25-19 23-25 27-25 21-25 15-13)【NEC】フォフィーニャ 有田 松崎   杉山    秋山 高橋  L=成田IN中村、渡邊、筒渕、内田、安藤、竹内【デンソー】 眞  ロンドン 矢野井上  横山  細田  L=片下IN岡野(←眞)櫻井、大槻フルセットの末に勝ったのはNEC。この結果、NECが3位、デンソーは4位。NECもそこそこブロックに自信があり、確か今シーズンのデンソー戦では結構ブロックの本数が出ているはずだ。一方、デンソーもこの試合では久々にブロック祭り。持ち味が出たうえでの敗戦の原因は、ロンドンの不調と真の持ち味であるサーブレシーブ成功率の悪さである。今シーズンのデンソー、采配のこともあるがそれ以前に持ち味である(と言うか、デンソーバレーの前提である)サーブレシーブが不安定だった。リーグ序盤はまだ数字は出ていた(内容は危うかったが)のだが、リーグ後半には数字にも表れていた。ちょっと天狗ないい方をすると、私の開幕戦のレポでの見立てがそのまま反映された結果なのだ。話を試合本編に戻す。NECは今シーズン最後の試合でようやく有田らしい数字と結果が出た。「サオリン」なんていうあだ名は木村沙織ではなく、有田沙織にくっついていた可能性の方が本当は高かったのだ。全日本に呼んで試合に出せばすぐに結果を出すだろう、それが有田沙織の実力だ。また、NECが2セット落とした理由としては、ファイナルになって調子が上がっていないフォフィーニャのためだろうと思う。【バレーボール界の深刻な話です・・・出来ればお読みください】女子バレーボールチーム・武富士バンブーのHPにて、全体移籍を求めるページが立ち上がっている。私は今回の問題が決して、武富士バンブーだけの問題ではなくて、バレーボール界全体(大きい意味ではスポーツ業界全体)の、複合的な問題であると思っている。また、この問題で特に問題なのが、これを大した問題とも思ってもいないようなあの組織である。武富士バンブーの全体移籍を求めるページ、是非一度ご覧くださいませ。長いお時間はかかりません。しかし、スポーツに興味が少しでもあるならば、バンブーと言うチームの未来を信じたいと言う方、出来ればご覧になってください。 

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